
2026年8月12日、
以前から一度行ってみたかった台湾の阿里山。
目的はもちろん巨木です。
台湾には日本ではなかなか見ることのできない規模の紅檜(ベニヒ/タイワンベニヒノキ)が残っていますが、その中でも阿里山は数多くの巨木が集中している場所。
今回、実際に阿里山を訪れ、2泊しながらじっくり巨木を巡ってきました。
結論から言うと、
巨木好きなら、一度は訪れてほしい場所。
一本の有名な神木を見るというより、巨大な紅檜が次々と現れる「巨木の森」
日本の巨木巡りとはまた違った感覚を味わえる場所でした。
阿里山とは
阿里山は台湾南部、嘉義県阿里山郷にある山岳地域です。
今回訪れた「阿里山国家森林遊楽区」は、標高およそ2,000〜2,700mに広がり、面積は約1,388ha。
台湾を代表する森林観光地で、
- 森林鉄道
- 神木
- 日の出
- 雲海
- 夕霞
の「阿里山五奇」で知られています。

標高が高いため、台湾南部と聞いて想像する暑さとはまったく違います。
阿里山地域の年間平均気温は約10.6℃。夏でも平均気温は14℃前後とされ、平地の台北や嘉義とはかなり気候が違います。真夏に訪れても森の中は涼しく、特に朝夕は上着が必要です。
そして、僕にとって何より魅力的なのが、
ここには千年を超えて生きる紅檜の巨木が、一本ではなく森として残っていること。
阿里山を代表する「紅檜」

阿里山で多く見ることができる巨木が、
紅檜(ベニヒ/タイワンベニヒノキ)
学名:Chamaecyparis formosensis
です。
台湾固有のヒノキ科の樹木で、非常に大きく、そして長寿になります。
阿里山を歩いていると、普通の森林の中に突然、とんでもなく太い紅檜が現れます。
さらに面白いのが樹形。
一本の幹が単純に太くなったものだけではなく、複数の幹が長い年月をかけて一体化した「合併木」も多く、
幹がうねり、空洞ができ、苔やシダなどの着生植物がびっしりと付いている。
その姿は整った巨木というより、
千年という時間をそのまま形にしたような木。
阿里山の巨木に惹かれた一番の理由は、この独特の生命でした。
巨木群棧道には36本の紅檜巨木

阿里山国家森林遊楽区には「巨木群棧道」という巨木巡りのための遊歩道があります。
現在の巨木群歩道は、かつて阿里山神木が倒れた後、残された紅檜やその根を保護しながら観察できるよう整備されたもの。
2つの区間に分かれ、36本の紅檜巨木を巡ることができます。
歩道全体は約1.1km。
木製の遊歩道や階段が整備されているので、本格的な登山というより森林散策に近い感覚で歩くことができます。
ただし問題があります。

これはとても残念でしたが、2026.1.19~2027.5.31までNo.1~No.20までの通りが通行禁止になっているのでその全貌を見ることはできません。
もうひとつ問題が、巨木好きにとっては、全然前に進めません(笑)
一本見つけるたびに立ち止まり、正面から見る。
横から見る。
根元を見る。
上を見る。
写真を撮る。
また戻って見る。
普通に観光する人とは、必要な時間がまったく違います。
実際に歩いた巨木ルート
今回は阿里山賓館に2泊。
時間に余裕を持って、巨木を中心に園内を歩きました。
初日のルートが、
阿里山賓館
↓
慈雲寺
↓
香林神木
↓
千歳檜
↓
巨木群棧道
↓
28號巨木
↓
阿里山賓館
というルート。
これが本当に良かった。
森の中を歩きながら、次から次へと巨大な紅檜が現れます。
「この木もすごい」
と思って少し歩くと、さらに大きな木が出てくる。
日本では一本の巨木を目的に山の中まで歩いていくことも多いので、これだけの規模の巨木を次々に見られる環境はかなり特殊です。
圧倒された28號巨木

今回、特に初日印象に残った一本が、28號巨木、胸高直径4.0m。
そこから換算すると幹周は約12.6m。樹高45m。
樹齢は1,087〜1,103年とされています。
写真に人を入れてみると、ようやく大きさが分かります。
人間が小さいのではなく、木があまりにも大きい。
太さだけでも十分すごいのですが、この木で印象的だったのは生命力。
巨大な幹は複雑にうねり、苔に覆われ、そこからシダやさまざまな植物が育っている。
千年以上生きている古木なのに、
「老いた木」という感じがあまりしない。
むしろ今もエネルギーに満ちていて、
これからさらに大きくなっていくのではないか
と思わせるほどでした。
一本の巨木でありながら、その表面に小さな森ができているような木でした。
香林神木や千歳檜も見逃せない

巨木群棧道だけでなく、その周辺にも有名な紅檜があります。
代表的なのが香林神木。
以前は「光武檜」とも呼ばれていた阿里山を代表する巨木の一つです。
そして千歳檜神木。
名前の通り、千年以上の時間を生きてきた紅檜。
こうした名前を持つ巨木と、番号で管理されている巨木が同じ森林の中に次々と現れるのが阿里山の面白さです。
「この一本を見るために来た」
という場所ではありません。
森全体が巨木スポット。
これが阿里山最大の魅力だと思います。
森林鉄道も阿里山の象徴

もう一つ、阿里山を語るうえで欠かせないのが、
阿里山林業鉄路。
もともとは山で伐採した木材を運び出すために造られた森林鉄道で、現在は台湾を代表する観光鉄道になっています。
嘉義から阿里山へ向かいながら標高を上げていく特殊な山岳鉄道で、現在は本線・園内支線とも運行されています。
僕も当初は森林鉄道で阿里山へ向かう予定でした。
しかし、
予約しようとした時には売り切れ。
かなり人気があります。
特に旅行日程が決まっている場合は、鉄道に乗りたい人は早めに予約した方がいいと思います。
結果的には別ルートで阿里山へ向かいましたが、森林鉄道自体も阿里山の歴史を知る重要な存在なので、次回はぜひ乗ってみたい。
日本から阿里山へ行く場合
阿里山は台湾旅行としては少しアクセスに時間がかかります。
台北からそのまま日帰りで行くような場所ではありません。
一般的には、
台北
↓
台湾高速鉄道(高鉄)
↓
高鉄嘉義駅
↓
バス・タクシーなど
↓
阿里山
というルートが分かりやすいと思います。
公式案内でも、高鉄嘉義駅から阿里山方面へのバスが案内されています。嘉義市内から森林鉄道を利用する方法もあります。
阿里山国家森林遊楽区は台18線の88.2km地点、標高約2,216mに入口があります。嘉義側から山道をかなり登っていくため、移動そのものが一つの旅になります。
阿里山は日帰りより宿泊がおすすめ
実際に行って感じたのは、
巨木を見るなら阿里山には泊まった方がいい。
ということ。
観光ツアーで主要スポットだけを見るなら日帰りでも可能だと思います。
ただ、
巨木をゆっくり見たい。
写真を撮りたい。
森林鉄道にも乗りたい。
朝や夕方の森も歩きたい。
となると、日帰りではかなり忙しい。
僕は阿里山賓館に2泊しましたが、巨木目的ならこのくらい時間を取って正解だったと思います。
標高2,000mを超える森なので、朝・昼・夕方で雰囲気もかなり変わります。
観光客が少なくなった時間の森を歩けるのも宿泊する大きなメリットです。

阿里山はゲートがあり入場料を払って入れます。ゲートをはいって歩いて5分程でAlishan Visitor Center(阿里山遊客中心)の駐車場に着きます。この周辺にホテルが数件ありますが、寒い・狭いなど評価は低くいです。かなり高額にはなりますが阿里山ホテルをオススメしています。部屋は広く食事がおいしく、浴室からの森の眺めも良く素晴らしいホテルです。また早朝すぐに巨木巡りができるのも嬉しいですね。
阿里山で感じたこと
今回たくさんの紅檜を見て、一番感じたのは、
「大きい」というだけでは巨木の魅力は語れない
ということでした。
幹周。
樹高。
樹齢。
もちろん数字は重要です。
でも実際に木の前に立つと、それ以上に、
幹のうねり。
樹皮の厚み。
空洞。
折れた跡。
苔。
着生植物。
そして周囲の森との関係。
そういったもの全部を含めて、その木の存在感になります。
千年以上生きた木の表面には、その木だけではなく、さまざまな植物が暮らしています。
巨木一本が一つの生態系になっている。
阿里山では、そんな光景を何度も見ることができました。
巨木好きなら、阿里山は間違いなくおすすめ
日本でも数多くの巨木を見てきましたが、阿里山は少し種類が違います。
一本の圧倒的な巨木を見る場所というより、
千年級の巨木が生きる森の中へ入っていく場所。
その感覚が一番近い。
標高2,000mを超える霧深い森林。
巨大な紅檜。
苔とシダに覆われた幹。
森林鉄道。
木道を歩くと、また次の巨木が現れる。
以前から行ってみたかった場所でしたが、
実際に訪れてみると想像以上でした。
今回撮影してきた巨木については、一本ずつ詳しく紹介していきたいと思います。
阿里山。巨木好きなら、台湾まで行って見る価値がある森です。

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