2023年7月20日、東北7日目「青空」
朝起きると、これまで一週間もの間、ずっと頭上にあった厚く重たい雲は消え去り、清々しい青空を見た。
あてもなくホテルから飛び出し街の散歩をすることにした。
気持ちのいい朝だ。朝食を終えこの日仙台を後にし気仙沼へと北上することにした。
宮城県は太い木が少なく、8m以上の巨木を手あたり次第行くことに
リアス式海岸沿いを岩手まで抜ける予定だ。
今日からようやく天気の心配をせずに撮影できると気分も上がる。車の窓を全開にして爽やかな風を感じながらのドライブ。
最初の巨木は、宮城県本吉郡の海外沿いにある荒澤神社「太郎坊の杉」
太郎坊の杉 ←詳細はこちら
前日までの雨で樹皮がしっとりし良い雰囲気。緑の色彩がまるで違う
撮影できるスペースが少ないのでタイトな時間で撮影を終え、
また海岸沿いの曲がりくねった道を北上した。気仙沼に到着。
気仙沼には2011年震災直後にボランティアで来ていた。
10m以上に積み上げられていた瓦礫のビル群が綺麗になくなり、街ができ人の生活があり復興を感じることができた。当時あれだけ壊滅状態になっていたのに、人の生活を感じられることができるまでになっている。あたりまえのことかもしれないけど凄いことだと感動した。本当によかった。
次に向かった久保の大桂は、久保集落の奥。Googlemapでは行き止まり手前の道路沿いとなっている。向かっていると車1台がギリギリ走れるが両サイドの草が車にガシガシ当たるような細さどんどん狭くなる道にヒヤヒヤしながら注意深く大桂を捜す。
辺りに駐車場はなく、ターンもできないので行き止まりまで行くと一軒の家があった。
流石に車が擦るほどの草が生えているのだからここは人が住んでいないだろうとUターンし車を路駐し、草むらへと進入していった。
久保の大桂 ←詳細はこちら
データ上では、宮城県第二位となる巨木。13.0mの大桂
ただ少し元気が感じられない。足元の小川の水量もちょろちょろと僅か。
少し心配になりながら撮り終えると・・・ 大粒の雨がポツ、ポツっと
その時「ピーーーーーーーーーーーー!!!」と苛立ちを感じるクラクションの音
えっ???自分の車が鳴らされている?誰か来たというのか?
急いで戻ると、突き当りの家の住人のようだ。深々と頭を下げすぐに発信した。
辺りはゲリラ豪雨のように土砂降りとなった。
次の目的地はこの場所から15分の龍雲寺のスギだ。
15分でこの豪雨が止むとは思えないが向かった。朝の晴天はどこへやらフルワイパーでも前が見えない程の雨になっていた。
龍雲寺についたが雨は止まなかった。遂に連続で雨が止む記録が止まったか。流石にこの雨では撮影は不可能なので気仙沼に戻り昼食とした。雨が止み再度龍雲寺へと向かい、撮影機材を持ち寺を訪ねた。
たくさんのお墓があり敷地は広く歩き回るが杉は見当たらない。汗だくになりながら30分程捜したが見つけることができない。
お寺の人に聞こうにもインターフォンを押しても誰も出ずで敷地をくまなく歩く。
見当たらない。ネットで調べなおすと・・・ 衝撃の事実「伐採されている」
どうりで見つからない訳だ。
ただ待てよ。・・・鳥肌が立つ。ここまで東北26本は全て雨を避けて撮影できている。それが龍雲寺の杉だけ雨かと思いきや、杉はない。
次に向かえと言われているような雨だった。まるで天気と巨木撮影が綺麗にリンクしているようだ。
ここから一気に北上し岩手入り
陸前高田市は、2011年の大津波から今後に備え海岸沿いには2kmに及ぶ高さ12.5mの堤防が作られていた。
大きな堤防を横目に海岸から数km走った高台にある常膳寺で車を停めた。
常膳寺の姥杉 ←詳細はこちら
もう15時はまわっているが、三陸大王杉まであとわずかの距離
行くことに迷いはなかった。何と言っても岩手県の杉ランキング1位を取っている巨木なのだ。
到着16時過ぎ、早く見たいのと、急いで撮影しないとという気持ちで焦っていた。
デカイ!デカイ!と興奮した大王杉
三陸大王杉 ←詳細はこちら
三陸大王杉を撮り終えると17時過ぎになっていた。いつものようにブッキングドットコムで予約するかと見てみるが、一番近いのが気仙沼の宿。
民宿を捜すという手もあるが、めんどうだから45分位だし一気に戻ることにした。
今日見た巨木の余韻に浸りながらホテルについた。
宿は、基本的に18時以降にチェックイン、早朝5時には出発することが多いので素泊まりばかりだ。お風呂に入り疲れを癒したあと腹ごしらえ。
ホテルから近くで開いている店を捜したら、「麺来」というお店が評判も割と良くて近い!あまり食事のことは記事にはしていないのですが、東北の旅を通して一番うまかったお店がこの「麺来」だったので簡単に紹介したい。
巨木の旅に地元の食事と温泉がいつもセットだが、今回の旅は巨木のことしか考えていないので、行き当たりばったりで宿を決め、食事も適当に評判いいとこに入っていた。いろんなおいしいものを食べたが、この夕食がおいしすぎて記憶に刻まれました。
また宮城にいくことがあれば是非寄りたいと思う。
こうして、宮城 → 岩手 → 宮城という駆け抜けた一日は終わった。
巨木図鑑 出版の裏話14 東北編 へ続く
2023年7月20日 行動記録
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