
本郷弓町のクスノキ 詳細
| 読み方:ほんごうゆみちょうのくすのき |
| 別名:本郷のクスノキ、楠亭の大クス、弓町の大クス |
| 文化財指定:文京区指定保護樹木 |
| 学名:Cinnamomum camphora |
| 樹齢:600年 |
| 樹高:21m |
| 幹周:8.4m |
| 施設:なし |
| 住所:東京都文京区本郷1-28-32 |
| 難易度:★☆☆☆☆ |
| 樹勢 :★★★★☆ |
| 撮影日:2024年10月9日 |






東京の街角で、生き残り続ける奇跡のクスノキ
オフィスビルやマンションが立ち並ぶ、東京都文京区本郷。
東京ドームから歩いて5分ほどの場所に、本郷弓町のクスノキは立っています。
周囲は都会的な街並みそのものですが、路地をひとつ曲がった先に、突如として大きなクスノキが現れます。
初めて訪れる人なら、きっとその唐突な出会いに驚かされることでしょう。
それほどまでに、この木の存在は街の景色の中で際立っています。
クスノキの生育環境として見れば、決して恵まれているとは言えません。
根はアスファルトに囲まれ、十分に呼吸しやすい条件とは考えにくく、さらにビルの谷間では日照条件も良好とは言えないはずです。
それにもかかわらず、このクスノキはそうした不利をまったく感じさせないほど樹勢が良く、力強い姿を見せています。
都市の只中でこれほど健やかに生きていること自体、驚くほかありません。
さらに、この木の歩んできた時間を思うと、その存在はますます特別に感じられます。
東京は関東大震災や戦時中の空襲など、幾度も大きな災禍に見舞われてきました。
周囲一帯が焼け野原となった時代を経ても、このクスノキは倒れず、燃え尽きることもなく、ただその場所に立ち続けてきたのです。
土地の所有者が変わり、古い屋敷が取り壊され、木造の西洋館が建てられ、さらに時代が進むとマンションへと姿を変えていく。
街の景観も建物も移り変わるなかで、このクスノキだけは切られることなく生き残ってきました。
そう考えると、この木は生命力の強さだけでなく、並外れた強運をも持ち合わせた巨木だと言えるのかもしれません。
歴史の荒波にも、都市開発の変化にものみ込まれず、今なお東京の一角で青々と枝葉を広げる本郷弓町のクスノキ。
その姿には、単なる巨木としての魅力だけではなく、「生き残る」ということの重みと尊さが刻まれているように思えます。
このマンションの住民の方々が、毎日このクスノキを目にできることは本当にうらやましい限りです。
家の目の前に巨木がある暮らし。巨木好きにとって、それはひとつの憧れでもあります。
なお、このクスノキは、私が『マツコの知らない世界』に出演した際に紹介させてもらった一本でもあります。
都会の中にありながら、強く、美しく、そして奇跡のように生き残ってきた本郷弓町のクスノキ。
東京を代表する印象的な巨木のひとつです。
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