森の神 詳細
読み方:もりのかみ |
指定区分:県指定天然記念物 |
称号:日本一のブナ |
学名:Fagus crenata |
樹齢:300年以上 |
樹高:29m |
幹周:6.0m |
施設:駐車場スペース |
住所:青森県十和田市奥瀬 |
難易度:★★★☆☆ |
樹勢 :★★★★★ |
撮影日:2023年7月23日 |
日本一のブナ 森の神に会ってきた。
2019年のゴールデンウィークに青森旅行をしたとき、十和田湖北部には積雪があり、道も開通したばかりだった。何とか森の神の手前までは行けたが道路の先には2m以上の雪壁で断念せざるえなかった。
森の神を見れる寸前で見れなかったことは、非常に心残りでまた季節を変え会いにいこうと思っていた。ただ愛知と青森は距離的に遠く4年後2023年7月に再び訪れることとなった。
この数年の間、頭の中で期待とイメージが膨らんでいた。
撮影は朝の光が合うのだろうか?それとも林だから昼前くらいの方が光が射し込み綺麗だろうか?色合いは青みがかった緑で、構図は少しローアングルで、たくさんイメージしていた。
そしてこの日、十二本ヤスから巌鬼山神社の大杉へ行き身代地藏尊のハリギリの後だったので昼は過ぎていた。昼食はとらなかったが急ぐこともなくタイミングに任せた。
以前、雪壁があったところを無事に通り過ぎ、Googlemapは林の中の森の神を指している。「目的地に到着しました」と何もなさそうなところでアナウンスは終わった。確認すると電波がない!いまどこなのか?どこに駐車すればいいのか?通り過ぎたのか?よくわからない。来た道を戻ると側道部分が少し開けた場所があった。
僅かな駐車場スペースだったので気づかなかった。
※Googlemapに駐車場として登録申請をしておいたので、こちらを目印にすると良いと思います。
森への入口には熊注意の看板、実際気配は感じられるもののそれ以上に期待とワクワクが勝っていた。その辺に転がっていた頼りない木の枝を片手に森へと入っていく。
足元はかなりぬかるんでいたが長靴があったので気にせず進める。
歩くこと10分くらいだろうか、ブナ林の中に突如「森の神」が現れた。
遂に待ち焦がれた森の神に会えた。ゆっくりゆっくり歩みよりすぐにカメラを撮りだし撮影を始めた。
そして一枚目撮影した写真がこのページの最初の写真。
この写真をモニターで確認して目を見開いた。色合い、構図、光の入り方などこの四年間イメージしたそのままの映像が写っていた。
こんなことは巨木を撮影しはじめ20年一度としてなかった。
期待以上、期待以下の巨木、イメージと違い本物はやっぱり違うものだな~と感じるのが普通ですが、自分はこの景色を見たことがあったのだろうか?デジャブ?と思う程、モニターに映った画像はイメージと同じだったのだ。
振り返るとこの10日間、起きてから寝るまで巨木のことだけを考え、車を走らせ撮影し、山を登り、豪雨を避け、巨木に着く度に雨が止み、奇跡的なタイミングで走り抜けてきた。でもそれがこの景色のこの時間帯のためのタイミング調節だったのだと感じるほど完璧な景色前に目頭が熱くなった。
そして、「東北巨木巡礼を終えよう」という感情が湧いてきた。
他にもいろいろ巡りたい巨木もあったが、完全に満足しきったのかもしれない。
もしくは、森の神にこの旅の終わりを告げられたのかもしれない。
それぐらい森の神は、心にぶっ刺さるものがあった。私はどの巨木も好きなのですが、幹周9m以上で感動レベルに達することが多く森の神は6m。普通なら、「ほうほう」とか「なるほどね」。くらい落ち着いた感じですが、ブナとして日本一の森の神は、一味も二味も違い感情を激しく揺さぶられるものがあった。そして美しいその姿は女性的な不思議な魅力をもった巨木でした。
自然が育んだ美しい木々、透明度の高い水、栄養を含んだ大地。それらがこのブナの巨木を作り上げているのだろう。本来の自然というのはこれほどまでに美しいのか。会えてよかった。深く深く感謝し森を後にした。
↑ Googlemapでの場所はこちら
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