小井田の千本桂 詳細
読み方:こいだのせんぼんかつら |
指定区分:一戸町指定天然記念物 |
学名:Cercidiphyllum japonicum |
樹齢:700年 |
樹高:24m(実際は9m程) |
幹周:21.3m(元気だった頃の数値と思われる) |
施設:なし |
住所:岩手県二戸郡一戸町一戸小井田 |
難易度:★★☆☆☆ |
樹勢 :★☆☆☆☆(倒木からの新芽) |
撮影日:2023年7月22日 |
かつてここには幹周20mを越えるカツラの巨木があった。
「人里の巨木たち」では2006年の切られる前の貴重な写真が公開されています。
弱っていると記載されていましたが、伺うと見るも無残にぶつ切り状態になっていて正直ショックを受け、「本当にここまで切る必要があったのか?」そんな疑問が頭の中で巡り、もう少し早く来たかったと普段しない後悔の念がこみ上げました。
何故、樹齢700年と言われるカツラが弱り切られたのか考えてみると、その複雑な道路に原因がありそうな仮説が立ちました。
カツラが立つ場所は、高速の一戸ICがすぐ近くにあり、道路が複雑に走っています。少し調べてみると八戸IC開通に伴い、1986年(昭和61年)11月27日一戸ICが完成していることがわかりました。
道路を作るために多くの穴を開けたことで、根元にある井戸の水脈が変わり水分がカツラに供給できなくなったことでカツラは弱り始め、数十年で腐朽し切られたと考えると仮説ではありますが辻褄は合います。
カツラは他の巨木と大きく違い、美しい水がないと生きることができない木。
だからこそ、源流、湧水、川に生息していることが多いと考えられています。
人が便利を求め、ダムを造り川を塞き止めカツラが枯れる。川を汚しカツラが枯れる。そんな場面をたくさん見てきました。ただそのダムの恩恵を受けているし、自分も生活の中で川を汚して高速道路も利用しているので偉そうに言えたものではありませんが、このカツラも人災を受けた一本なんだろうと申し訳ない気持ちになりました。
壊れた自然を見ると考えさせられます。
自分はこうした巨木の記録を残し後世に伝えていくことはできるので、引き続き楽しみながらやっていきたいと思う次第です。
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