2023年7月21日、東北8日目
「アブ襲来」
この日は、巨大なカツラを巡りながら北上する予定。
ただ前日に見た予報は、かなりフラグが立っている。
大雨、土砂崩れと恐ろしい。
下の地図の赤丸印から北上していき十字印のある目的地周辺から盛岡に抜けていくそんなプランだった。
前途多難な一日になりそうなので、これは見たい!というもの意外を諦め進むことにした。取捨選択をせず行きたいところ全部まわっていたら時間が足りない。
天候も怪しい。それどころか警戒レベル4とは中々ではないか。秋田県は冠水していて大雨が降ったばかりで天候が安定していない。山間の谷を走る訳だから通行止めだと大幅に時間ロスにつながる。引き返しすとなると更に時間がかかる。その時間も考慮して無茶せず無理するそんな状況。
宮城県を出て真っ先に向かったのが、玉桂
巨木好きな人にも紹介されていることが少なく情報も数件しかない。ただ非常に楽しみに期待していたカツラの木。
どよんとした曇り空を眺め車を走らせていると到着直前から辺りが明るくなり始めた。そしてついに8日目にして初めて巨木の枝葉から眩い太陽光が目に飛び込んできた。
万物の生命の源「太陽」。どれほど恋しかったことか。
それも新緑が美しく樹勢も極めて良い玉桂で拝めるとは、感極ってしまった。
たくさんの写真を撮ったあと、しばらく座り込み眺めていた。
玉桂 ←詳細はこちら
天気予報がダメでも一発目から天候が味方すると次からも天気に恵まれる気がしてくるから不思議だ。
次に向かったのは、民家に立つ大洞の千本カツラ。こちらも情報が少ないカツラ
千本カツラというのが正式名称のようだが、全国に千本カツラという名称がありすぎるので、頭に地名が付けられ大洞の千本カツラと呼ばれています。また別名は小友の千本カツラとも呼ばれている。
大洞の千本カツラ ←詳細はこちら
これまたすごいカツラだ。この太さと樹高と数値に負けない迫力がある。
それが県指定にもなっていないから驚きである。
岩手県では、このレベルが当たり前なのだろうか?それとも民家に立つ巨木だからか?気になって帰って来てから調べてみたが、岩手県は巨木TOP30に県指定が1本、国指定が1本と他県に比べ圧倒的に少ない。なぜなんだろうか?保護する予算か?
ただ、県や国が保護しなくともどれも大きく成長しているので心配は必要ないんだろう。
そして次の木はこの日、最も楽しみにしていた白山杉
白山杉と山祇桂は100mも離れていない距離に立っていてどちらも幹周10m越えの超巨木。それを同時に拝める貴重な場所。
並んで立っているのでどちらから見るか考えたが、車を停めた目の前に祠があったので、参拝して山祇桂から撮影することに
参拝する前からソワソワしてしまう。祠を飲み込むように祠の上から見えている只ならぬ雰囲気の木々、この木がカツラなのか?どこまでひとつなのだろか?そんなことがよぎっていたが心を落ち着かせ参拝をする。
この巨木も実態がわからない巨木だった。大きそうということくらいしか写真からはわからないので、実物を見たかったカツラ。祠の裏に立つカツラへ向かった。
山祇桂 ←詳細はこちら
想像以上だった。
カツラの側には山の上の方からちょろちょろと小川が流れてきている。
恐らく源流が近い。この水が二本の巨木を育み続けているのだろう。
カツラから白山杉の全貌は見えているので草をかき分け進んだ。
蜘蛛の巣が顔にまとわりつくがガシガシ進むとまた祠が現れた。ただ看板は地面に倒れ、草もボウボウに伸びている。正面からの道も同様にボウボウだ。
祠と周りの木々で思った以上に白山杉が見えずらい。裏から見れないかと少し登り振り返ると・・・ そこには男らしい凄まじい覇気を放つ白山杉の全貌が見ることができた。ただ白山杉はアブが多い活動期の6月~9月は特に注意が必要だ。
フード付きのナイロンパーカーを持っていると半袖よりは防御力が上がる。
白山杉 ←詳細はこちら
超巨木に圧倒され一日一本で余韻に浸れるレベルの巨木を4本も連続で見て、朝から何も食べていないのでお腹は空いていたが、胸がいっぱいでお腹も一杯に感じていた。
二本を見終え、気が付けば14時。ふと気が抜けたのか達成感なのかはわからないが急にお腹が空いてきた。ただGoogleで調べても周りに開いている店は全くなく。盛岡まで行かないといけない。車に戻り熱々になった車の冷房を最大にして外に出て休憩しようとするとアブが一気に車の周り飛び始めた。それも1匹2匹ではなく何十匹と竜巻のごとく車を覆っている。それも4~5cmくらいありそうなスズメバチくらいデカイアブ。
すかさずドアを開け中に滑り込むと、アブも3匹程入ってきた。エンジンを切り急いで外に逃げる。その瞬間またアブが車内になだれ込み車の中も外もアブだらけ。
車内にアブが残るのだけは避けたい!すべてのドアを開け逃げて放置することにした。10分後、状況変わらず・・・ そんな格闘を20分以上続け 何とか脱出することができた。
運転を始めるとボンネットに巨大なアブがいることに気づき窓を全開にして走った。ついでにアブの習性についてお話しておくと、アブは獲物をみつけるために、3つのものに反応する。それが「熱」と「二酸化炭素」「黒いもの」、カンカン照りで熱せられた車、そしてエンジン、更に排気ガスときたらアブにとっては条件が揃った格好の獲物になる訳なので気をつけたいところだ。
遅めの昼食を済ませ最後に川目吉田氏の千本カツラに立ち寄った。
そこにはジブリのような世界が待っていた。
川目吉田氏の千本カツラ ←詳細はこちら
もう少し北上したかったが、思いのほか山道は蛇行していて、移動時間もかかってしまった。ただこの日、岩手の最高峰の巨木を見ることができ終始天気も崩れず素晴らしい一日となった。
2023年7月21日 行動記録
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