
白鳥神社のビャクシン 詳細
| 読み方:しらとりじんじゃのびゃくしん |
| 文化財文化財指定:静岡県指定天然記念物 |
| 別名:白鳥神社の大ビャクシン |
| 学名:Juniperus |
| 樹齢:800年以上 |
| 樹高:10m |
| 幹周:4.1m |
| 施設:駐車場スペース・トイレあり |
| 住所:静岡県賀茂郡南伊豆町妻良1328 |
| 難易度:★★★☆☆ |
| 樹勢 :★★★★☆ |
| 撮影日:2026年5月16日 |
| 詳しいデータの見方はこちら |









鳥居の奥で枝が暴れる、伊豆最南端の怪樹
伊豆半島最南端、南伊豆町妻良にある白鳥神社。
その境内に、静岡県指定天然記念物の「白鳥神社のビャクシン」は立っています。
以前からずっと見たかった一本でしたが、実際に目の前にすると、想像していた姿をはるかに超えていました。
樹高10m、幹周4.1m。
数字だけを見れば、巨木として特別に巨大というわけではありません。
しかしこの木は、大きさではなく、枝ぶりと樹形で圧倒してくるタイプの古木です。
まず目を奪われるのは、幹から四方へ伸びる凄まじい枝。
白く剥き出しになった枝が、幹から飛び出し、曲がり、絡まり、また奥へ潜っていく。
どこが始まりで、どこが終わりなのか分からなくなるほど複雑です。
見ていると、まるでふたつの生命体が同じ場所で、それぞれ意思を持って生きているようにも感じます。
内側から樹皮を突き破るように伸びる枝は、木の内側と外側が戦っているようにも見えるし、逆に長い時間をかけて共存してきた姿のようにも見えました。
正面から見ると、太い幹と絡み合う枝の迫力が強く伝わってきます。
一方で横に回ると、この木の異様さはさらに際立ちます。
枝というより、何か別の生き物が木の中を這い回っているような姿。
白い枝、黒ずんだ幹、うねるような曲線。
そのすべてが重なって、理解しようとしてもなかなか追いつきません。
そして印象的だったのが、鳥居越しに見る姿です。
神社の鳥居の向こうに、複雑にうねるビャクシンが立っている。
明るい日差しの中にあるのに、どこか異界めいた雰囲気がある。
普通の木を見ているというより、長い時間をかけてこの場所に棲みついた何かと向き合っているような感覚になります。
ビャクシンは、盆栽の世界でも古木感や枯れの美を表現する樹種として知られています。
白く枯れた部分と生きている幹や枝の対比、ねじれた幹、厳しい環境を耐え抜いたような姿。
この白鳥神社のビャクシンには、その魅力が自然のまま、極端な形で現れているように感じました。
大きさで圧倒する巨木ではありません。
けれど、樹形の迫力、枝の動き、幹のねじれ方、そして神社の空気と合わさった存在感は忘れられません。
伊豆半島最南端で、八百年以上の時間をかけて生まれた理解不能の樹形。
期待の遥か斜め上をいく、強烈な一本でした。
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