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屋久島

屋久島 冒険記 未だ見ぬ巨木1

yoji koyama · 2023年11月21日 · コメントを書く

屋久島の森

「生きて帰ってくる」

2021年9月30日、そう妻に伝え家を出た。

登山道がない山やバリエーションルートを攻める時に毎回自分に誓い伝えていること。

巨木探しにのめり込んでも命を落としてはそれで終わり、生きて帰ると言い聞かせ望むようにしている。

巨木探しは、山に入ることは登山と同じでも大きく目的が違う。

登山が山頂を目指すのに対して、やっていることは目的地に巨木があるかどうかもわからない探検のようなもの。苦労して山の中を探しまわり巨木を発見できないこともよくある。登る山と書いて登山なら、巨木探しは探す山で「探山」と言えるだろうか。ニッチな巨木探しを深山と呼ぼうが何と呼ぼうが浸透する程ではないからどうでもいいことだろう。

一般的に登山道は、草木が取り除かれ歩きやすく整備された道。枕木や石が敷かれ山頂に登る道や山と山をつなぐ道。

昼ごはん何にしようかと別ごとを考えていても初級・中級者レベルの山なら何てことなく目的地の山頂についてしまう。足の疲れや呼吸の乱れはあれど案内板や目印がありルートを間違えて遭難者がでないように進入禁止のロープなども整備されている安心のルート。

上級者ルートや雪山となると危険性は格段に上がり、体力や技術が必要となってくる。

本気の巨木探しは登山上級レベルと近い厳しさがあるかもしれないが、私はたまに登山をする中級者レベルと自覚している。登山道を一部使う時もあるが、最初から藪をかき分け入るということも多く結構キツイ。ヘビースモーカーなのですぐに息も上がる。本音はキツイ思いはしたくないし「二度とこの山に来るもんか!」と思い下山しても、数カ月後にはその決意空しくその山に巨木を探しに向かっている自分がいる。

巨木探しに行くと山深いこともあり結構な確率で携帯の電波がない。人がいない山や谷にお金をかけアンテナを設置しても需要が限りなく少ないので至極当然のことと言える。

携帯の電波がない山や地域に単独で入る時は緊張感がまるで違う。登山道など無い深い森の中、万が一滑落しようものなら助けはこないし呼べない。骨折したとしても自力で麓まで下りないといけない。2人以上のパーティーが組めればリスクは軽減されるが、巨木探しに藪を漕ぐといったキツイだけのように感じる趣味を到底理解できる人も付き合う人もそうそういない。

度々訪れる富山の山は熊が頻繁に出るし話も耳に入る。麓の駐車場には何月何日熊が出没しましたとリアルに書いて貼ってある。あたりまえだがそんな山は数時間でもリスクは高く、数日となると怪我や事故のリスクは跳ね上がる。ただそういった山にこそ、人が入っていないので巨木はひっそり隠れている可能性が高くそそられてしまう。

人間の五感というのは実にすごいもので集中していると視覚・聴覚・嗅覚だけではなく肌感覚で獣の気配を感じることができる。単なる恐怖とは違い山全体から獣の気配がわかる感覚は何も私だけが持ち合わせた特別な感覚ではなく登山家・冒険家はわかるのではないかと想像している。山に入ったとたん危ないと感じる山にはホカホカのドデカイ糞や木に新鮮な大きな爪痕が見られることが多く、「これはまずい」と感じれば足早に山を下りることもある。

今回の屋久島の巨木捜しはいつもと違う緊張感があった。屋久島には危険な獣は生息せず平和な猿と癒される鹿が大半で蛇もいるにはいるが非常に少ない。複数で行動する野犬には出会ったことはあるが、極々一部である。では何の緊張感かというと予行練習で行った富山の山で滑落し大事故につながる一歩手前で助かったという経験が脳裏をよぎり一種のトラウマのようなものになっていたからだ。

他にも一年前に骨折した足首の動きが芳しくなく可動範囲も狭い。足場が悪いと挫いたり転倒することもある。骨折時は友人がいたので無事に帰ることができたが、もし一人だったらと考えると恐怖心は膨れ上がる一方だ。今の自分のメンタルやフィジカルで屋久島に通用するのか?とトレーニングやストレッチをしてもやはり不安は簡単には消し去ることはできなかった。

会社のスタッフに「屋久島で巨木を探してくる」と伝え、休暇を3~4週間程取った。「気を付けて行ってきてください。」と送り出してくれるスタッフ。ほんと恵まれている環境だ。

体調と天候を見ながら何度も麓と山をピストンする計画。雨が降れば巨木探しは中断すると決めていた。屋久島は花崗岩(かこうがん)の山々で岩や苔が多くただでさえ湿気で滑りやすい。雨が降れば更に足元は滑りやすく滑落や捻挫や骨折の可能性も一気に跳ね上がるからだ。テントや麓で待機という時間を想定して余裕をもって長めに休みを取っていた。

屋久島は非常に天候が変わりやすく雨が多い。1カ月のうち32日雨が降るといった表現があるほどよく降る。自称晴れ男と断言しているが、3週間ずっと晴れなどということは屋久島ではありえない訳だ。

そんな屋久島の旅に友人隆通(たかみち)が同行したいという。といっても、一緒に行くが巨木探しには同行せず麓に降りてきたときに一緒に遊ぼうというのり。まぁそれもおもしろそうだと二人で友人が営む宿ヒュッテを旅のスタート地点とし冒険は始まった。

屋久島冒険記 七尋杉を捜して へ続く

屋久島 仁王杉

yoji koyama · 2023年3月6日 · コメントを書く

仁王杉

仁王杉 詳細

文化財指定:国指定特別天然記念物(屋久島スギ原生林として )
学名:Cryptomeria japonica
樹齢:不明
樹高:22.8m
幹周:8.3m
施設:なし
住所:トロッコ道 860m
難易度:★★★★☆
樹勢 :★★★★☆
撮影日:2008年6月17日、2016年4月4日
仁王杉
仁王杉
仁王杉
2008年当時

屋久島の仁王杉

あえて屋久島と付けたのは奈良県の金剛山山頂付近にも仁王杉が聳えていますし、佐渡島の関越の仁王杉というものもあるからです。どちらも見てみたい。

荒川登山道入口から長い長いトロッコ道の最後に出てくる仁王杉。

まるでこれから始まる縄文杉への巨木参道とも言える大株歩道の門番のようだ。

堂々とした姿は、東大寺の金剛力士(仁王)像の名前から来ているのだろう。

仁王杉はトロッコ道からも見れるがやはり近づき、その巨木感を味わいたいと道をはずれ川を渡り真下から撮影した。

仁王杉は近くで見ると印象が変わる。すっと立ち上がる幹が途中からたくさんのコブが出来ていることが分かる。落雷にでも打たれたようだ。

この後に控える、ウィルソン株・大王杉・縄文杉に気を取られ仁王杉は素通りされてしまうこともあるが、少し足を止める価値のある素晴らしい巨木だと思う。

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龍神杉

yoji koyama · 2023年3月5日 · コメントを書く

龍神杉

龍神杉 詳細

読み方:りゅうじんすぎ
文化財指定:文化財指定:国指定特別天然記念物(屋久島スギ原生林として )
学名:Cryptomeria japonica
樹齢:2,000年
樹高:不明
幹周:11.0m
施設:なし
住所:益救参道(やくさんどう)標高1,260m
難易度:★★★★★
樹勢 :★★★★★
撮影日:2013年5月23日
龍神杉
太い幹、葉を多く茂らせ堂々とした龍神杉
葉に覆われ上部が見えないほどだ
下から見上げた龍神杉。様々な着生植物がついている。
龍神杉の前に立つ友人
龍神杉を見上げる友人。上部まで見えない。
標準レンズでも広角でも全貌を収めることはできない大迫力の龍神杉
龍神杉の看板

縄文杉と並ぶ存在感!龍神杉

益救参道(龍神杉歩道・旧宮之浦歩道)の標高1,260m地点に三神杉(龍神杉・雷神杉・風神杉)がひっそりと佇む。

今回の旅は、花山歩道から龍神杉へのルート。

花山広場で一泊、高塚小屋で一泊、そこから龍神杉へと向かうテント2泊の旅

高塚小屋から龍神杉のルートは開かれていない。ただその旧道から挑戦したかった。道中はめちゃくちゃ迷ったし、危ない場所も多く進められるルートではない。ただ名もなき巨木も多く感動もこのルートを進んでよかったと思える。

三神杉が立つ場所に辿り着いたとき、3人抱き合って喜んだ。

それだけ3人にとって道中が厳しかったのだ。3人とも膝に爆弾を持っている。

誰かの足が壊れたらこの旅は続けることができなかった。それでも助け合いこの龍神杉まで辿りつけたからこそ感動が大きかった。

車で行ける巨木も好きだが、やはり苦労を重ねその先に立つ巨木の方が感動は大きい。

辛いこと、めんどくさいこと、キツイこと、それらを避けるように便利で楽な方に流れることが多いが、それは感動から遠ざかることを意味しているのかもしれない。

荘厳な龍神杉を目の前に、そんなことを思った。

この旅から3年後、また3人で屋久島を訪れたが友人が足を壊し下山。2人共かなり無理をしてついてきてくれていた。

それから屋久島に3人で行くことはなくなった。少し寂しくもあるが3人でこの龍神杉の旅をできたことが良き思い出となった。

2023年、自分はひとり体を鍛え今でも屋久島や過酷な山に挑み続けている。

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雷神杉

yoji koyama · 2023年3月5日 · コメントを書く

雷神杉

雷神杉 詳細

読み方:らいじんすぎ
文化財指定:文化財指定:国指定特別天然記念物(屋久島スギ原生林として )
学名:Cryptomeria japonica
樹齢:2,000年
樹高:不明
幹周:11.6m
施設:なし
住所:益救参道(やくさんどう)標高1,260m
難易度:★★★★★
樹勢 :★★★★★
撮影日:2013年5月23日
雷神杉
幹が隆々で樹勢が良いことがわかる
雷神杉
少し引いて撮影
雷神杉
複数の着生木も見られ複雑な樹形になっている
雷神杉
雷神杉
根元には美しい苔の絨毯
雷神杉
苔の絨毯を楽しそうに蟻が散歩していた

三神杉の一本 雷神杉

益救参道(龍神杉歩道・旧宮之浦歩道)の標高1,260m地点に三神杉(龍神杉・雷神杉・風神杉)がひっそりと佇む。

標高差1,000mを登りきるとこの三神杉に出逢うことができる。

私たちのルートは少し違って花山歩道入口から入り永田岳を越え高塚小屋から龍神杉を目指すという中々体力を使う道のり。GPSを片手にルートを何度も確認しながら進んだ。道中何度も道に迷い到着した時の感動と達成感は凄まじいものがあった。

龍神杉のすぐ近くに立つ雷神杉は、看板などはなく見落とし注意だ。

雷神杉は、地中から水分をたくさん吸い上げ生命力の強い巨木。

龍神杉にも決して見劣りしない迫力だ。

龍神杉歩道を下る道のりはとても急勾配で足がついてこなかった。

今はどうかわからないが、当時は下山しても携帯の電波がなく負傷していたがタクシーを呼べず宮之浦までの道のりをひたすら歩いた。

今となってはとてもいい思い出だ。

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風神杉

yoji koyama · 2023年3月4日 · 4 コメント

風神杉

風神杉 詳細

読み方:ふうじんすぎ
文化財指定:文化財指定:国指定特別天然記念物(屋久島スギ原生林として )
学名:Cryptomeria japonica
樹齢:1,500年
樹高:不明
幹周:不明
施設:なし
住所:益救参道(やくさんどう)標高1,260m
難易度:★★★★★
樹勢 :★★★☆☆
撮影日:2013年5月23日
風神杉
風神杉
風神杉の内部より

益救参道(龍神杉歩道・旧宮之浦歩道)の標高1,260m地点に三神杉(龍神杉・雷神杉・風神杉)がひっそりと佇む。

様々な呼び名がある登山道だが、龍神杉歩道は2007年に整備され非常に歩きやすくなった。私は下りで利用したが大きな石畳の綺麗な道だが、急勾配が続きスピードを殺しながら行かないと止まれない程の場所もある。

登山道は開かれたものの、まだまだ登山客は少ない。

屋久島に来る多くの人は縄文杉と白谷雲水峡を巡り大満足して帰る。

龍神杉を含めた三神杉を拝みたいという方は、ニッチなのだろう。

それ故に、神聖さがあり大自然の中に立つ三神杉は強烈なものがある。

この風神杉は空洞化が進み内部から天の光が射し込む程だ。むき出しになった根は表面がポロポロと剝がれ状態は決して良いとは言えない。

ただ龍神杉・雷神杉と並び風神の威厳を見せつけてくれた。

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