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巨木図鑑

巨木図鑑 出版の裏話4 東北編

yoji koyama · 2024年2月4日 · コメントを書く

2023年7月15日、東北2日目 

「巨木仲間との出会い」

この日、天気予報通り朝から雨は降っていて止む気配すらしない分厚い雲が覆っていた。ただ、前日まで山形・秋田に巨大台風が接近していたので中止の文字が脳裏をよぎっていた。そんなことを思えば若干秋田に逸れたことでこの日決行することができたことは良かったが、後にこの台風が自分の行く手を阻むことはこの時、想像もしていなかった。

待ち合わせは巨木好きならではのケヤキ番付 東の横綱「東根の大ケヤキ」

東根の大ケヤキ
4年前の姿とは大きく異なり幹から葉が大量に出ていた。

「はじめまして」のはずが、インスタで何度も顔を見てコメントしていたので初対面とは思えない自然な感じ。この感覚は現代のSNSの発展がなければ味わえなかっただろう。

みんなで最初に向かうことにしたのは、「松保の大杉」

自分は2週間以上東北で過ごすつもりだが、市川さん権田さんは2泊しその後、大阪と静岡へ車で帰るという超ヘビーなスケジュール。なので2人の行きたい場所を優先しガイドしてくれる小野さんに任せることにした。

この大杉は難所のひとつ、未舗装の細い林道を約8kmも車で走る。細い林道は対向車が来てもすれ違うことができないハラハラする道。おまけに雨でぬかるんでいるので四駆でなければ厳しいし詰まったら最後、JAFすら呼べるかも怪しい。

何度も天気予報や台風の状況を確認しながら進むことにした。

だが、朝から降り続く雨は一向に止む気配はなく林道を慎重に進む。

レンタカーでひとりで向かおうとしていたこともあったけど、ほんと辞めておいて正解だったと改めて思うほど、道は細くぬかるんでいた。

どんどん奥に進んでいく、幸いなことに草刈りをしてくれたばかりだったようで、少し道が開けている。そして到着した瞬間に雨は止み曇りとなった。

松保の大スギ

いったいこれはなんだ!もしかして一本のスギなのか?

美しい田園の向こうに「松保の大杉」が見える。近くで見たい!雨が止んでいる間に撮影したいと、はやる気持ちを抑え準備を整え向かった。

この松保の大杉は衝撃的で、この一本を見れただけでも山形に来たかいがあった。

一目見て、巨木図鑑に必ず入れると確定した巨木でもあった。

どのくらい撮影していたのか定かではないが二時間くらいは思い思いに撮っていたんではないだろうか。名残惜しい気持ちを抑え次の巨木に向かうことにした。

巨木図鑑 出版の裏話5 東北編へ続く

巨木図鑑 出版の裏話3 東北編

yoji koyama · 2024年2月4日 · コメントを書く

2023年7月14日、東北1日目

「山形上陸」

名古屋空港を出発し、今にも雨が降りそうな「おいしい山形空港」に降り立った。

毎度思うが、変わった空港名だ。

気になりすぎて案内で聞いてみると、食がおいしい、空気がおいしい、いろんなおいしいがあるから、おいしい空港だそうだ。

そんなことはさておき、東北をまわるにあたり山形を最初にしたのにはインスタで交流のある小野さんが山形の巨木を案内してくれるというからだ。

この方は、基本的に私と同じで単独行動で難所の巨木をたくさん撮影している尊敬している人物。

山形には名木が多く存在しているが、場所の特定が難しい巨木が多く、山形の巨木に精通している方に案内してもらえるのは願ってもないチャンスだった。

そこに、初めて会う巨木カメラマン権田さん、巨木好きで植木屋の市川さんも参加することになっていた。

合流するのは、翌日なのでレンタカーを借りて、雨が降らないなら行きやすい巨木でも軽くまわるかと動き出した。

暗雲立ち込める中、車を走らせるも1本目の巨木に到着する前にどしゃぶりとなり、まるで「山に入るのを辞めておけ」と言わんばかり

荷物はホテルに送ってあったので、ハーパンTシャツでの登山となる

カメラと三脚、登山靴と傘、非常に弱い戦闘力だ。

戦闘力低め
戦闘力弱めの装備

防水のカメラとはいえ、雨の中の撮影は極力避けている。レンズに雨があたり映りこむからだ。それを拭いてまた撮影が苦手というか好きではない。

週間天気予報の降水確率が高いので、あまり気乗りしないものの今後を考えるとこれも雨撮影の練習だと考え突っ込んでみることに。

ギリギリ道だとわかる登山道

足場はぐちょぐちょで、この山はカエルでできていると感じるほど見たことない数のアマガエルが数千匹飛び跳ね、蜘蛛の巣もまとわりつく大自然のトラップが愉快なコンディション。

猿羽根楯跡の親杉

レンズにつく雨と格闘しながら、記念すべき東北一本目となる「猿羽根楯跡の親杉」を撮影した。あたりまえのことだが、ガードの弱い膝下はブヨの餌食となった。

ずぶ濡れになったこともあり、近くの舟形若あゆ温泉へ駆け込み、その後「岩神大権現杉」「岩神大権現のクロベ」に立ち寄った。到着数分前に雨が上がりご機嫌で撮影を開始したが、草むらに足を踏み入れた瞬間、アブの大群が草むらから垂直上昇してきたので急いで逃げた。アブはテリトリーに侵入すると容赦なく攻撃して追従してくるので注意が必要。当然ながらこの日のハーパンTシャツでは非常に危ない。

ササっと撮影を終了してこの日を終えた。

巨木図鑑 出版の裏話4 東北編 へ続く

2023年7月14日 行動記録

2023年7月14日

巨木図鑑 出版の裏話2

yoji koyama · 2024年1月8日 · コメントを書く

3月末に出版の話をいただいてから3カ月が過ぎようとしていた。

データベースを整えつつ、仕事が休みの時は近郊の県に訪問するそんな日常に変わりつつあった。ただ時間的にすべての県の見たい巨木を網羅することは考えても中々良い方法は思いつかない。

特に東北地方は、各県が大きく山奥の巨木も多いため移動に時間がかかる。

長期休暇でないと行きづらく、お盆にまわるか?8月の猛暑の中体力が続くのか?そんな疑問が湧く

ただそうこうしているうちに時間は経過していくので素早い選択と行動が必要とされていた。

ある日、「仕事を休むしかない」そんな言葉が頭をよぎった。

会社の代表を務めているのにこの発想は良いとは言えないかもしれないが、妥協して本を作るのかそれとも現段階で納得できるものの為に時間とお金を使うのか。

そう考えた時に意外と結論が出るのは早かった。

まとまって2~3週間休みを取って巨木だけにフォーカスすれば実現は可能かもしれない。そう考え目的達成のため逆算を始めた。雨日は撮影がうまくできないので予備日を考え14日あれば1日5本で10日で50本近く行けるのでないか?もっと行けるか?ざっくりとした草案の元、あとは現地で臨機応変に対応でよいと初日のホテルと山形行の飛行機チケット・レンタカーを予約して東北巨木巡礼をスタートさせることにした。

ただ出発当日の7/14~1週間の天気予報は80~100%の雨予報と前途多難な旅の始まりとなった。

巨木図鑑 出版の裏話3 へ続く

巨木図鑑 出版の裏話1

yoji koyama · 2023年12月3日 · コメントを書く

2023年3月、日本文芸社様から巨木図鑑出版の話をいただいた。

このホームページを見て小山さんの名で出版したいとメールに記載されていたが、よくあるスパムかと疑った。ただよくよくメールを読むと本当なのかなと半信半疑で連絡すると担当者が熱い想いを伝えてくれ引き受けることに、日本全国を網羅する巨木の本を作ることになった。

内心いつか出版社から声がかかれば出版したいという思いはあったものの、今のタイミングかと少しの不安がよぎる。というのも47都道府県の中で行ったことがない県も11県ほどあり今まで20年ちかくのんびりと巨木巡りをしてきた写真では47都道府県をカバーすることも、ましてや「この県で見てほしい巨木はこれだ!」など自信をもって言えるはずもなかったからだ。

納得いく本にしようと思うと、相当の努力が必要となることはすぐにわかることだったが、中々行けていない県や巨木に伺うよい機会をいただいたと挑戦してみることにした。

巨木の定義は幹周3mを越えるものをいう。その中で今まで自分の心が動く巨木は8m以上、10mを越えると感動値が上がることが多い。

闇雲に巨木を巡っても、抜けがあっては時間を浪費してしまうので、全国の巨木データーベースを作り訪問したい巨木のリストアップを最優先にすることにした。

様々な巨木サイトから情報を拾い集めていく作業から始めたが、これだけで一か月の時間を要した。ただ9,000本近い巨木のデータベースが完成した。

この表は、福岡県の一部、全ての巨木の名称から参考サイトへジャンプ、Googlemapのリンクも作成といった感じだ。

その後、都道府県別で幹回りが太い順に並び変え、8m以上の巨木を全てGooglemapに落とし込んでいく。これが想像以上に骨が折れる作業。

Googlemap未登録の巨木。住所が曖昧な巨木。住所が公開されていない巨木。などなどを調べて倒して登録していく。

「国土地理院地図」と「人里の巨人たち」のHPがなければ到底無理な作業。

巨木の住所の緯度・経度が記載されていたおかげで、95%くらいは座標が特定できた。心より感謝。1本調べるのに1時間以上かかることもあり、本当にこんなことをやってて時間は大丈夫だろうか?と思うこともあったが、どのみちこれがなければ現地で時間を浪費することになるので、いずれやる作業だと割り切りやり続け完成したGooglemapの登録は1,500を越えていた。

Googlemap

次の段階は、時間を逆算していくと当然間に合わないので絞っていく作業。

いよいよ巨木の選考。この選考は実に2カ月以上かかった。

こうしてできたデーターベースとGooglemapを元に全国を駆け巡る旅が始まるのであった。

巨木図鑑 出版の裏話2へ つづく

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小山洋二 プロフィール

yoji koyama冒険家 / 巨木写真家
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