2024年1月29日、自分の原稿が印刷段階に入り、あとは待つのみとなりました。
思い返すと2023年3月末に話をいただき、それから昨日までの10ヶ月間走り続けました。出版社からの要望以下のようなものでした。
・全都道府県250本以上の巨木を掲載してほしい。
・花の巨木を各県いれたい。
・多くの樹種を入れたい
・図鑑として出版したい。
・2024年春に出版は決定している。
課題感としてあったことは、
・まずどうやって250本のあたり(選定)をつけるか?
・どうやって撮影するか?スケジュールは?計画は?
・花の巨木ってどれくらいあるのか?そもそもあるのかという調査。
・行ったことのない地域を効率よくまわるには?
・出版社の要望と実現レベルの差異をどう埋めるか。
・どういう原稿を書くか。
・仕事と撮影・編集の両立は可能か?
・休みなしでやり続けれるのか?
・初めての取り組みなのに300ページ位も実際にできるのか?
・妥協せずに完成するのか?
などなど
様々な課題が山積していて、やることの膨大な量へ挑戦することにしたものの何度も座礁しかかりました。
ただ仕事を受けた以上、妥協をせずにどこまでやれるかが最大の課題でした。
巨木9,000本近くのデータベースを作るところから始め、巨木の場所を探し、Google Mapsにマッピングしていき、どうやったら短時間で効率的にやれるか考え抜きました。
ネット上で1本の巨木を探すのに1時間以上かかることや、実際行ってみて目的地についても巨木が簡単にみつからないこと、登山になることもあり。焦りの中で手を動かし、足を使い、移動時間はずっと考え、やっていくことで、今までの自分の限界ラインを遥かに超える移動量、撮影量、編集量となりました。
「まだ時間はある。」そう感じたことは一度もないくらいのひっ迫感の中、
身体か精神が先に参ってしまうのではという心配すらもありました。
割ときつい時間は長かったのですが、自分の知識、旅の技術、移動手段、検索能力、楽しみ方などがアップデートされていき、少しずつでも前進・成長している感覚も身についていきました。
何より、自分が好きなことに熱中できる状況、その機会を与えてもらったという喜びもあり、苦しさと楽しさが同居してる感じでした。
売れる売れない、いいわるいは評価なので、まだわかりませんが、10カ月間全力でやりきり納得いく今自分ができる最大を篭めることはできました。
出版社の要望には限りなく100%に近づけ制作し、自分のやりたかったことも篭め、何より手にとってくれる人のことを考え続け制作した自負があり、いい本ができ上がると感じています。
制限の中でやりたいことをやり、言い訳せずに詰めこんだことは今後の自分の財産とも感じます。「仕事が忙しくて」「休みが取れなくて」「カメラが壊れたので」「はじめてのことで」言い訳はいくらでもできる状況でしたが、結局その言い訳は、ブーメランのように自分に返ってくる。そして楽しみにしてくれている人、手に取ってくれる人への裏切りにも感じるので、笑顔になったり喜んでもらえる本にと、やり抜くことだけを考えて実行してきました。
長々書きましたが、〇〇だからできない。ではなく、どうやるか?どうすればできるか?ばかり考え続け行動さえすれば遠いゴールにもたどり着けるのだと感じた10ヶ月でした。
そんな巨木巡りと制作の二本立てで作り上げた巨木図鑑、手に取っていただけたら嬉しいです。
そしてあなたの旅の道しるべになれば幸いです。